赤いぐい呑み茶碗の作り方

和文化・日本の陶芸

赤い茶碗の焼成、キャンバスは器、筆は窯の炎

絵付けの焼き物など、一般的な焼き物の着色は、

三色を施すには、三種類の顔料(絵具)を使います。


絵を描くときの一般の絵具

一般の絵具のイメージ




しかしながら、当、南天窯(なんてんがま)の焼き物は、

一種類の顔料(釉薬)で、七色を同時に発色させます。


一種類の釉薬ですが焼成時に多彩に窯変





まるで画家が絵を描くが如く、

様々な中間色をも出し、

多彩な色合いを作り出します。



キャンバスは器自身、筆は窯の炎。炎が描く陶芸作品。

窯変南天赤(ようへんなんてんあか)と名付けました。


自然界の色変化のごとく多彩に発色





窯変南天赤の焼き物は、

赤の顔料を高温にて化学反応をさせて、

その分子構造を様々に変化させることで、

たくさんの色を、一度の焼成で同時に作り出します。


その色合いの変化(化学反応)は、

自然界でも、春夏に緑の木の葉が、

秋になると黄、赤にと紅葉していく色合いの変化と

同じ原理なのです。








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和文化・日本の陶芸

鮮やかな赤から多彩に変化する器、新しい陶芸技術です

赤い抹茶茶碗やぐい呑みの陶芸作品を

個展などで紹介しています。



「どうして、このような赤い色が出るのか?」



個展では、不思議に思われた方に

そんな質問をいただくことがあります。



鮮やかな赤色の発色は、

1200度以上の高温焼成で焼く陶器では、

困難だとされてきました。



この抹茶茶碗やぐい呑みは、さらに、

ひとつの釉薬と一度の焼成で七色を出す焼成技術を開発して、

はっとするような鮮やかな赤色や、

日本の秋・紅葉を想わせる景色を創りだしています。


鮮やかな赤から様々な色合いに変化





おそらくこれは、いままでの歴史にない、

全く新しい陶芸技術です。








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和文化・日本の陶芸

本焼き焼成(赤い抹茶茶碗、ぐい呑みの作り方)

当ブログ

「赤いぐい呑み抹茶茶碗の陶芸家」では、

赤い抹茶茶わんと赤いぐい呑み

陶芸作品を専門に作陶していますが、


前回の釉薬(ゆうやく)がけ工程に続き、

最終段階の本焼き焼成に入ります。


赤い抹茶茶碗や赤いぐい呑み作品づくりでは、

この本焼き工程の窯焚きの成否が、

作品の優劣を決めるといってもいいほどです。




釉薬(ゆうやく)をかけ、

釉薬がしっかり乾いたところで、

窯入れし、いよいよ本焼き工程になります。




赤い抹茶茶碗と赤いぐい呑みづくりでは、

この本焼きの窯焚きに細心の注意を払っています。



窯の中の炎の色がオレンジ色では約800度。

炎がさらに高温になり1,200度を越えると

炎は白く輝いてきます。


その炎の色合いを見極めて本焼き焼成を行い、

鮮やかな赤色の発色を成功させています。


炎の色を見て、ちょうど良い色合いに発色させるため、

窯止めするタイミングの見極め時間は、およそ1分。


この1分を見逃すと、作品は駄目になってしまいます。



陶器では難しいとされる鮮やかな赤色が発色する

この赤い抹茶茶碗ぐい呑みの作品たちは、


釉薬の調合、窯の工夫、窯止めのタイミングが、

合致して、はじめて成し得る珍しい陶芸作品です。


鮮やかに赤い抹茶茶碗







さらに、

この赤い抹茶茶碗と赤いぐい呑みは、

窯焚きの時に、酸化と還元の炎を巧みに使い分けることで、

赤色を黄色、橙、緑、黒、白などの他の色へ変化させ、


絵付けや二度焼きすることなく、

一種類の赤を基調にした釉薬でありながら、

赤の他の色に、多彩に変化し、

実に豊かな景色を器にからめ取る、

不思議な抹茶茶碗ぐい呑みが出来上がります。


窯変した多彩な色合いの抹茶茶碗






この赤い抹茶茶碗ぐい呑みの作陶は、

粘土選び、粘土づくりから、

陶芸作品の本焼き焼成まで、

分業することなく、1人で管理して行います。


粘土練り、ろくろ成形、素焼き、

施釉、本焼き、窯出しを経て、


1作品1作品、手間をかけ、やっと出来上がります。






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和文化・日本の陶芸

施釉−釉薬をかける(赤い抹茶茶碗、ぐい呑みの作り方)

当ブログ

「赤いぐい呑み抹茶茶碗の陶芸家」では、

赤い抹茶茶わんと赤いぐい呑み

陶芸作品を専門に作陶していますが、


前回の素焼き作業に続き、

赤い抹茶茶碗の最大の特徴になる

施釉(釉薬をかける)段階に入ります。



素焼きが終わったら、

いよいよ釉薬(ゆうやく)がけを行います。

釉薬(ゆうやく)とは、陶器にかける上薬のことです。


赤い抹茶茶碗の素地を、

釉薬のガラス質でコーティングすることで、

水漏れを防いだり、

赤い抹茶茶碗の素地の強度を高めたりします。


そして何より、釉薬は、その発色の具合により、

いろいろな”景色”を器に写し取ります。


赤い抹茶茶碗の見所を豊かにしてくれる

とても重要な工程となります。


これから釉薬がけ






赤い抹茶茶碗の最大の特徴となる

夕焼けのような鮮やかな赤色を発色させるために、

独自に調合した、赤の顔料を含んだ釉薬を使います。


釉薬がけの様子






一般的には、

楽焼(らくやき)などに用いられる赤の顔料は、

窯の温度が750から800度という低い温度で

赤色を発色しています。


それ故に、楽焼はもろく、丁寧に慎重に

取り扱うことが要求されます。



楽焼よりも強度の高い陶器を作る場合には、

1,200度を超える高温では、

赤の顔料が沸点を超え、昇華蒸発してしまうため、

陶器で鮮やかな赤色を発色することは

現実的にはあり得ないことだと言われてきました。



この鮮やかな赤色の抹茶茶碗ぐい呑みは、


独自の釉薬の調合により成功させた、

鮮やかな赤色を見事に発色させる新しい陶芸技術です。





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和文化・日本の陶芸

抹茶茶碗の素焼き(赤い抹茶茶碗、ぐい呑みの作り方)

当ブログ

「赤いぐい呑み抹茶茶碗の陶芸家」では、

赤い抹茶茶わんと赤いぐい呑み

陶芸作品を専門に作陶していますが、


前回のろくろでの成形作業に続き、

抹茶茶碗の素焼きの段階に入ります。



抹茶茶碗の成形が仕上がったら、

陶芸作品をしっかりと乾燥させます。



乾燥時間は季節によって違いますが、

抹茶茶碗では、3日から一週間くらいかけて、

しっかり乾燥させておきます。



この乾燥時間が不十分だと、

赤い抹茶茶碗ぐい呑みを焼成する時に、

陶芸作品にひびが入ったり、

割れたりしてしまいます。




乾燥させた後は、ガス窯で素焼きを行います。


素焼きは、崩れやすい粘土を固め、

釉薬(ゆうやく)が乗りやすくするためです。


素焼きの様子






赤い抹茶茶碗の特徴となる鮮やかな赤色が映えるよう、

1作品1作品、手間をかけ、

素焼き作業も行っていきます。





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akaitouki at 08:24|PermalinkComments(0)

和文化・日本の陶芸

ろくろで成形(赤い抹茶茶碗、ぐい呑みの作り方)

当ブログ

「赤いぐい呑み抹茶茶碗の陶芸家」では、

赤い抹茶茶わんと赤いぐい呑み

陶芸作品を専門に作陶していますが、


前回の粘土練りに続き、

ろくろ(ロクロ)での成形作業に入ります。



しっかり練りこんだ粘土から、

抹茶茶碗ぐい呑みを形づくるには、

ろくろを使っています。


このろくろは、手動で使うものですが、

陶芸家生活の創意工夫の中、

手動でも自動でも使えるようにしました。

もう30年来の付き合いになるろくろです。


ろくろで成形の様子






粘土はしっかり練り込むことで、手に馴染み、

脇を締めて、手をきっちり決め、

ぶれないようにします。


そうすれば、粘土は手についてきます。


糸で切り離して乾燥







成形した抹茶茶碗は、糸でロクロから切り離し、

適度に乾いたところで、抹茶茶碗の裏側にある

高台(こうだい)という部分を削り、

成形を仕上げていきます。


高台削りの様子





これで、

赤い抹茶茶碗の基本的な形が出来上がります。






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和文化・日本の陶芸

粘土練り(赤い抹茶茶碗、ぐい呑みの作り方)

当ブログ

「赤いぐい呑み抹茶茶碗の陶芸家」では、

赤い抹茶茶わんと赤いぐい呑み

陶芸作品を専門に作陶していますが、


今回は、

陶器では珍しいと言われる赤い抹茶茶碗

出来上がるまでをご紹介します。




赤い抹茶茶碗づくりでは、

まず粘土練り(つちねり)から紹介します。


粘土練りでは、

しっかりと丁寧に空気を抜いていく作業が肝心です。


粘土練りの様子






これは、赤い抹茶茶碗を焼成するときに、

粘土の中の空気がはぜて、

抹茶茶碗が割れないようにするためです。


また、赤い抹茶茶碗の特徴は、

なんと言っても夕焼けのような、果実のような、

鮮やかな赤色の発色が最大のポイント。



この鮮やかな赤色が映えるよう、

陶芸作品に合う粘土選び、粘土づくりをしています。





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akaitouki at 17:43|PermalinkComments(0)